本事例は、守秘義務に配慮して一般化した例であり、同種の事案で同じ結果を保証するものではありません。
01状況
親が亡くなり、相続人は長く別々に暮らしてきた兄弟でした。日ごろの行き来がほとんどなく、誰がどの財産を引き継ぐのかをめぐって話し合いが進まないまま、時間だけが過ぎていました。やり取りのたびに感情的になり、当事者だけで結論を出すのは難しい状態でした。
02ご相談の内容
「相手と直接話すと感情的になってしまう」「不公平な分け方を押し付けられないか不安だ」というご相談でした。まずは、これまでの経緯と、ご本人が何を大切にしたいのか(実家の不動産を残したいのか、現金で公平に分けたいのか)をていねいにうかがいました。
03当事務所の対応
代理人として、相続人の範囲と相続財産の内容を確定することから着手しました。預貯金・不動産・負債を一覧に整理し、不動産については評価の考え方を複数の観点から検討しました。そのうえで、当事者どうしの直接交渉では折り合いがつかなかったため、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、調停委員を介して条件を一つずつ詰めていきました。
04結果
不動産の扱いと代償金の額について双方が歩み寄り、いずれの相続人も納得できる形で分割が成立しました。取り決めを書面に残したことで、後日の蒸し返しの心配もなくなりました。
05この事案で大切にしたこと
遺産分割は、法律の問題であると同時に、家族の感情の問題でもあります。弁護士が窓口に入ることで、当事者が直接ぶつかる場面を減らし、論点を「どう分けるか」という具体的な手続に整理し直すことができます。早い段階でご相談いただくほど、とれる選択肢は広がります。